北東インドマニプール州の州都インパールに行ってきました。
外国の観光客も少なく今も”秘境”と呼ばれる北東インド。
今回そのうちの1つであるマニプール州インパールに実際に行ってみて、あまり知られていないたくさんの魅力的な観光スポットを見つけることができました。その中から厳選して6つを紹介します。
さらにこの記事では最近のマニプールの治安と空港到着時の外国人登録に関しても説明します。マニプール観光を計画しておられる方には特に重要なのでぜひ読んでおいてください。
(この記事は2023年3月に訪問した時の内容です。)
マニプール州インパールとは
インパール、、、どこかで聞いたことあるような、、、
歴史に詳しい方であれば”インパール作戦”という名前を聞いたことがあるかもしれません。
かつて第2次世界大戦で日本軍がイギリス軍と衝突し多くの犠牲者が出た場所、それがこのインパールです。
インパールの場所は、北東インドの中でもミャンマーと国境を接しているので、かつては陸路でミャンマーに入境することができました。
ミャンマーとは民族的にも経済的にも繋がりの強い場所ですが、現在は2021年ミャンマーで起こったクーデター以降は国境は封鎖されています。
またマニプール州はインドのモディ首相の、北東インドを発展させてアジア諸国との関係を強めようという”アクト・イースト”政策の要所となっています。
アクセス
飛行機&タクシー
インパールに来る交通手段はほぼ飛行機一択です。空港はインパール国際空港。
空港内にあるウェルカムディスプレイ。
1日1本のデリー→インパール直行便であれば片道約2時間半。
グワハティを経由するフライトであれば約4時間ほど。
ほとんどの場合はグワハティで飛行機を降りる必要はありません。
どちらも片道大体25,000~35,000円くらいです。参考程度に、、
日本からは、デリー、コルカタ、グワハティなどインドの主要空港で1、2回乗り継ぐ必要があります。
空港からはオートリクシャ(三輪オート)に乗って市内へ。市内中心部までは大体20分くらい。
インパールではUberやOlaなどの配車アプリはほぼ使えません。
オートを捕まえるのも自力、値段交渉も自力でする必要があります。これが外国人観光客にとって未開の秘境と呼ばれる理由の一つです。
かろうじて使えるのはUberのバイクタクシーUber Motoくらいです。
鉄道&長距離バス
インパールにくる交通手段は”ほぼ”飛行機一択ということなので一応他の交通手段があることはあります。
鉄道でインドの最東端の駅であるナガランドのディマプール駅まで行き、そこから長距離バスで7〜8時間激しく揺られてインパールに来る方法です。
こちらの方法はおすすめしません。私の周りでもこれでインパールに来た日本人は一人もいません。
最も安い方法ではありますが、長時間移動で疲労するのと、ナガランド州とマニプール州の州境は治安があまり良くありません。
ちなみに現在マニプールの西側から直接州都インパールに向けて鉄道路線が建設中ですが、地滑りの事故などが起きて工期が伸びており、2023年時点では未だ完成が見えません。
気候
標高800mほどに位置するインパールはとても過ごしやすい気候です。
真夏でも33℃を上回ることはほとんどありません。
雨季は4月下旬〜6月上旬くらいまで、スコールのような雨が一日を通して数回降ります。
雨が降ると写真のように道は冠水してその日一日池のようになります。
文化
33もの部族が住む多民族州マニプール。それぞれの民族特有の文化に触れることができます。
部族の数に伴って、言語も宗教もお祭り行事も多種多様です。
ヒンズー教徒とキリスト教徒はほぼ同じ割合です。あとはイスラム教徒など。
マジョリティはメイテイ(マニプリ)人ですが、他の部族も多く住んでいます。
言語
インパールで話されている言語は主にマニプリ語と、英語です。
部族の人たちは英語を話せる人が多いようです。
観光地のスタッフや若い人たちはたいてい英語が話せます。
食べ物
マニプールの料理は”辛い”!これにつきます。
旅行者向けの伝統料理のレストランなどであれば辛さを控えていますが、それでも十分な辛さです。
川魚を使ったフィッシュカレーが特に有名です。上の写真の右から四番目のカレー。
味自体はとっても美味しいのですが、辛さが先行して外国人旅行客に美味しいという印象が残りません。
マニプール現地の人も食べてる間は会話できないほど。
ローカルの人にとっては、辛くない料理は”つまらない”らしいです。刺激的なのが好きみたいです。
上の写真はシンジュと呼ばれるマニプールのB級グルメ。辛い辛い、、、
こちらはマニプール観光客に人気のマニプリ料理レストランLUXMI KETCHEN↓
治安
これはとても大切なので書いておきます。
33の部族が住むマニプールでは、これまで部族間の衝突が時折生じてきました。
直近では2023年4月に生じた部族間抗争によって州全体でインターネットが遮断され、外出禁止令が出されるほどでした。
今は屋内でのブロードバンド(WiFi)は復旧していますが。外での携帯のインターネットは今も復旧していません。
2024年1月現在も、日本の外務省はマニプール州への不要不急の渡航をしないよう勧告しています。
マニプール州への渡航は危険と認識の上、当面の間、渡航を控えていただくようお願いします。
外務省HP
外国人が観光で訪れるのはもう少し先になりそうですね。残念。。。
マニプール州だけでなく、北東インドを旅行する際は念の為に外務省のHPなどで事前に最新情報をチェックすることをおすすめします。
ここからは、いつかインパールに来れるようになった時の参考として、インパール空港到着時の外国人登録について説明します。
空港到着時の外国人登録
インパール国際空港に到着時に、外国人は登録が求められています。(最近ではインドの他の州から来た人も登録が求められるようになりました。しかもそっちは有料で。)
インド北東部諸州のマニプール、ナガランド、ミゾラム各州については、これらの州に到着した後、24時間以内に同地の外国人登録所(FRO)において登録を行うことが必要です。
外務省HP
飛行機を降りて空港の建物に入る際に、外国人用の入口とインド人用の入口に分かれて入ります↓
外国人は空港スタッフの案内で椅子に座っていくつか質問されます。
この時に質問は全て英語なので、少し英語が話せる方であれば登録もスムーズです。
私が登録した時は、パスポートの番号、連絡先、マニプールでの滞在期間や目的、誰か知り合いがマニプールにいるかなどを聞かれました。
滞在先の住所やオーナーの電話番号なども聞かれました。あと帰りの航空チケットの提示も求められました。
緊張はしましたが、そこまで厳しいものではなかったという印象です。特に必要な資料などもありませんでした。
A4用紙の記入リストに自分で記入するか、スタッフが記入してそれで終わりです。
さらに私が実際に訪れて見つけたおすすめの観光スポット6つと観光のベストシーズンをご紹介しておきます。
おすすめの観光シーズンは10月から4月
マニプール州インパールのおすすめ観光シーズンは10月から4月!
暑すぎず日差しも緩くなる季節。
雨もほとんど降らないため、ロクタクレイクの水も澄んでいてとても綺麗な湖を見ることができます。
また、毎年10月か11月にはサンガイフェスティバルというお祭りが開催されます。
インパールのおすすめ観光スポット6選
州内には日本も関わった第二次世界大戦時の歴史に関する平和資料館などがあり、マニプールの観光スポットは日本にゆかりがあるものが多いです。
マニプールは特に日本人が観光で楽しめる場所なんだね
イマ・マーケット
別名レディースマーケット。ここでお店を開いている人は全て女性です。
果物売り場も、野菜売り場も魚売り場も、生地売り場も、座っているのは全て伝統衣装をまとった肝の座ったアンティたち。
マニプールの人たちのありのままの生活を見ることができます。
インパールの中心部にあって観光客にもアクセスが良く、マニプール観光に来たら一度は訪れておきたい場所です。
マニプールではかつて、男性が戦地に赴いている間は女性がマニプールの地を守っていたそうです。
その名残でインパールではこのマーケットのように、古くから女性も商売などに積極的に関わります。
カングラ・フォート
マニプールがインド共和国として統合されるまで、かつてこの地には長く栄えていた王国がありました。
カングラ・フォートはその宮殿跡で、後に要塞化され周囲に堀が造られるようになりました。
中では自転車をレンタルしたり、電動カートにガイドが乗って案内してくれるサービスもあります。
外国人の入場料は大人1人100ルピー。
チェラオ・チン
地元の人にしか知られていない隠れ絶景スポット。地元の人たちが朝の散歩などによく来る場所。
Googleマップでインパールを検索すると出てくる最初の写真はこの山から撮影したものです。
インパール市内にある小高い山で、インパール市内を一望できます。
チェラオチンの山頂からの夕日は本当に美しいです。
入場は無料。ただし夜にはゲートが閉まってしまうので注意しましょう。
ロクタクレイク
北東インド最大の淡水湖がマニプールにはあります。その名もロクタクレイク。
インパール市内から車で1時間、空港から40分ほどの場所にあるモイランという街にあります。
海がない北東インドで唯一見られる美しい湖ロクタクレイクは、いつからか”マニプールの宝石”と呼ばれるようになりました。
湖の一部は湿地帯になっており、そこでは地元の固有種の鹿”サンガイ”を見ることができます。
ロクタクレイクには湖上に浮かんで建っている家(フローティングハウス)があって、地元の人たちが今もその家に住んで生活しています。
有料サービスで、ボートに乗ってフローティングハウスまで連れて行ってもらえます。
特に冬場は水が澄み切っていて、美しいこの淡水湖を見るために国内外からたくさんの観光客が訪れます。
ロクタクレイクの湖畔を訪れるのは無料です。
インパール平和資料館
インパール平和資料館は日本人の観光客にも人気のスポットです。
第二次世界大戦時の歴史について、展示物と一緒に詳しく説明されています。
他にもマニプールの人のかつての生活様式を再現した家の模型や、30以上のマニプールの各部族たちを表現した伝統的なデザインのタペストリーなどがホール一面に飾られていてるのは一見の価値ありです。
日本政府の援助を受けて2019年に造られた新しい観光スポットです。
すぐ近くには戦時中多くの日本人犠牲者が出たレッド・ヒルと呼ばれる場所があり、日本人生没者の記念碑が置かれています。この記念碑を見るのは無料です。
時期になると毎年たくさんの日本人が訪れるそうです。
入館料は外国人大人一人100ルピー。
サンガイフェスティバル(10月or 11月)
マニプール州のPRとして毎年10月か11月に行われるサンガイフェスティバルもおすすめです。
マニプールの伝統の踊りなどを愉しんだり、マニプール州各地から集まった特産品を買ったり、フードーコートエリアで地元のB級グルメも楽しめます。
普通ならマニプールの方々を旅しないと出会えないような場所の特産品を一度に楽しむことができます。
2022年度はメイン会場がモイランでしたが、インパールでも毎年必ず会場がつくられます。
入場チケットは確か100ルピーくらいでした。
サンガイフェスティバルのインパールの会場はこのシティコンベンションセンター横のグラウンドです。
インパール滞在記録 まとめ
秘境と呼ばれるマニプールのインパール旅行は、いつものインド旅行とは全く異なるものでした。
アジアの別の国を旅行しているような感覚が楽しめます。
ただ名前がインドなだけです。
インドのメインランドの方はあまり地域によって違いがありませんが、北東インドは場所によって部族、言語、文化が異なりとっても新鮮です。
ベストシーズンは10月から4月です!
マニプール州インパール観光はもうしばらくして状況が落ち着いてから行きましょう。